それでもなお、国内の日用品ブランドの成長スピードは、外資ブランドより早い。また、国内企業が多くの分野で外資のシェアを奪い取る傾向は、年々顕著化している。2014年、国内企業全体の成長率は10%と、市場全体をけん引しており、26品目の市場シェアは約70%に達した。一方、外資ブランドの同年の成長率はわずか3%だった。また、同年、市場成長における国内ブランドの寄与率は87%に上り、残り13%が外資ブランドだった。2013年の寄与率は、国内ブランドが79%、外資ブランドが21%。
べイン・アンド・カンパニーのブルーノ・ラネス氏は、「国内ブランドが外資ブランドから市場シェアを奪回している背景には、完備された戦略的計画や高い実行力などの要因がある。具体的には、まず小・中都市をターゲットとして大都市に参入する戦略、大規模かつ狙いを定めたマーケティング投資、中国人消費者の伝統的な考え方に基づく新製品の開発、などが挙げられる」と指摘した。
外資ブランドの市場シェアが落ち込んだもう一つの原因として、販売ルートの変化がある。消費財市場の成長スピードの減速は、各販売ルートによって異なる。ブルーノ・ラネス氏は、「電子商取引による販売ルートが強大化する状況のもと、従来の販売ルートは、市場シェアを失う一方だ。顧客の減少にともない、外資が得意とする大型マーケットの販売増加率は半分に激減、2013年には7.9%だったが、2014年には3.7%にまで落ち込んだ。一方で、スーパー、小型スーパー、コンビニなどの小型店舗の顧客数は比較的安定している。これらのルートに乗る現地ブランドは、さらに優勢となる」と説明した。
〇まだ残る外資の優位性
中国人消費者による「外資ブランド追っかけ」の傾向が減っていることについて、上海国際流行連合会の葛文耀会長は、次の通りコメントした。