道を歩いている時に、タクシーを拾う場合は、手を挙げて空車を止める。車が止まると、ドアが自動的に開く。乗客が車内に乗り込むと、運転手は「ドアを閉めて宜しいですか?」と尋ねる。乗客が同意すると、車のドアはゆっくりと閉じられる。このように、ドアの開閉プロセスにおいて、乗客が自分の手を動かすことは一切ない。
〇「介護」「防犯」「買い物代行」タクシー
日本のタクシーが提供するサービスは、乗客を目的地に送り届けるという単純なサービスに留まらない。介護タクシー、防犯タクシー、買物代行タクシーなど、さまざまなサービスを提供している。高齢化問題が日に日に深刻化している日本では、「介護タクシー」を利用して外出する高齢者が増えている。タクシー運転手は、自宅まで利用者を迎えにつき、利用者の靴を履かせ、車いすの準備をする。
「防犯タクシー」と呼ばれる警察のパトカーのような仕事をするタクシーもあり、一部の僻地で、1年365日24時間運行している。現地のコンビニで強盗事件が起こった時や、警察と連絡が取れない場合には、このタクシーに救助を求めることができる。このほか、買物の代行、子供の送り迎え、出先で飲酒した後の運転代行、さらには引っ越しのような場面でも、タクシー運転手が活躍する。このような状況から、タクシー運転手に対する日本人の敬意は極めて高く、まるで家族の一員のように扱う。