2015年9月17日  
 

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ジョセフ・ナイ氏「米中はトゥキディデスの罠を回避できる」

人民網日本語版 2015年09月17日17:06

 著名な国際関係学者で、ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は16日、人民日報記者の単独取材に応じ、「米中は各分野での交流を強め、客観的かつ理性的に相手と向き合うことで、『トゥキディデスの罠』は回避できる」と述べた。人民日報が伝えた。

 新興大国と既成大国は必然的に衝突するという歴史的事実を前に、中米関係もこの「トゥキディデスの罠」に陥るのではないかという見方が浮上しているが、これに対しナイ教授は、「米中が歴史と同じ道を辿ることはない。中国は国際秩序の建設的な参加者であり、国際秩序の充実を望んでおり、それに挑戦することはない」と述べた。

 ナイ教授によると、アメリカ国内では一時期中米関係に関する様々な議論が巻き起こり、アメリカは衰退するのか、中米関係はどう発展していくのかといった問いに注目が集まり、両国間の競争と衝突は回避できないのではないかという懸念を示す人もいた。中国問題の専門家ランプトン教授は、「臨界点」という言葉で目下の中米関係を形容しているが、「彼の観点は見識に溢れているものの、『臨界点』という表現は少し行き過ぎており、米中関係は相互理解を深めることで衝突を回避することができる」とナイ教授は考える。

 「トゥキディデスの罠」についてナイ教授は、ぺロポネソス戦争が勃発したのは、日増しに力をつけるアテネを前に恐怖心を拭えなかったスパルタとの間に戦争が起きてしまったためで、現在の中米関係はアテネとスパルタの関係とはまったく異なり、同様に扱うことはできないと語る。「現在米中両国の各レベルでの往来はますます増え、中国人観光客や留学生も両国と両国民の相互理解に貢献しており、知らぬがゆえに恐怖に陥るということはない。そのため、米中両国は『トゥキディデスの罠』を完全に回避することができる」と指摘した。また、中国が国際問題においてより重要な役割を発揮することが、アメリカの役割を削ぎ落とすゼロサムゲームだとする見方があるが、それは愚かだとも指摘する。「例えば、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立当初、他国の参加に反対した人がいたが、幸いオバマ政権がAIIB政策の調整を図った。TPPでは中国さえ意欲があれば、中国の加盟は今後いつでも歓迎されるだろう」


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