65歳になる井上氏は、1986年にチベット山南地区洛扎県内の庫拉崗日峰に、2009年には諾尼峰にそれぞれ登頂した。「1986年に我々と一緒に登ったメンバーの中には、現在中国登山隊のリーダーを務める王勇峰氏がいた」と井上氏。
井上氏は、過去を振り返り、以下のとおり続けた。
「日本の登山の歴史は古く、先進的な登山設備や豊かな技術経験を備えている。だが、日本には高山資源が少ない。一方、中国、特にチベットは、豊富な高山資源を備えている。よって、日中両国の登山界は、昔から協力関係を築き上げてきた。チベットのシェルパ・チームは今や、極めて専門的な登山サービスを提供することができるようになった。我々は全面的に彼らを頼りにすることができる。」
「日中双方には、異なる文化的背景や考え方がある。より多くの交流を通じて、その違いによる問題を解決する必要がある。登山の間、私達はお互い協力しなければならない。特に、窮地に陥った時には、より助け合いを重視しなければ、登頂は成功しない。これは、我々2校の合同登山隊が最も重要に考えている点だ。今回の合同登山により、日中双方の隊員の間に深い友情の絆が結ばれた。我々は山頂で記念撮影を撮った。我々の間には、すでにどんな違いもなくなった。」
22歳の松村氏は、今回で2度目のチベット入りとなった。昨年、分隊の一員として下調べにやってきた。「歴史的背景から、日中両国の間には、一部の問題が存在している。だが、中国側のメンバーと付き合えば付き合う程、より親しみが増した。登山の最中も、100%の信頼を置くことができた。我々若い世代がこのような交流を進めることは、日中友好にとって極めて意義深いことだと考えている」と松村氏は述べた。
井上氏によると、神戸大学からの招きを受け、中国地質大学はこれまでに3日日本を訪れ、合同登山を行ったことがある。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年11月2日