数年前、日本はベトナムへの高速鉄道輸出を目指したが、5兆円に上る高額の建設費用に対し、ベトナム国内で反対の声が上がり、10年に国会で否決される羽目に陥った。同じような「ワーテルローの戦い」は今年の初めにもあり、インドのニューデリー-ムンバイ間、インドネシアののジャカルタ-バンドン間の高速鉄道など複数のプロジェクトで、日本は中国に負け続けた。
だが日本は11月中旬にフィリピンと総額20億ドル(1ドルは約122.7円)の鉄道合意に調印したことを明らかにし、両国がこれまでに調印したインフラ合意の最高額を更新した。
また日本はマレーシア、ベトナム、シンガポールなどの他の高速鉄道プロジェクトに狙いを定め、長らく失われていた鉄道分野の陣地を回復したい考えだ。とはいえ、こうしたプロジェクトにはどれも中国の影がつきまとい、何回もの「大がかりな戦い」は避けられないとみられる。
目の前の新興国だけでなく、欧米の高速鉄道市場も長らく期待が寄せられている。今年9月に習近平国家主席が米国を公式訪問した際、ネバダ州ラスベガスとカリフォルニア州ロサンゼルスを結ぶ全長370キロメートルの高速鉄道の合意が調印された。出遅れたくない日本は先月、全長400キロメートル、建設費約1兆5千億円に上るテキサス州ダラス-ヒューストン間の高速鉄道プロジェクトに調印した。また中日は総延長8400キロメートル、建設費約8兆1千億元のサンフランシスコ-アナハイム間高速鉄道プロジェクトでも戦いを繰り広げる見込みだ。