▽高速鉄道は「戦国時代」に
8日に日本経済の第3四半期の経済成長率が年率換算でマイナス0.8%から1%へ上方修正された。このデータが力強く物語るように、同期の日本経済は低迷しなかったのはもとより、力強い成長を遂げさえした。またこの結果は3週間前に出てきた「日本経済は技術的な『衰退』に陥っている」との説を一蹴した。とはいえ、多くのアナリストは、「日本経済は第4四半期(10-12月)に世帯支出や輸出のペース維持が困難なことから弱い低下局面に転じるだろう」との見方を示す。
第3四半期の経済データは好転したが、海外インフラ建設の受注をめぐる争奪戦ではまだまだ気が抜けない。安倍政権は海外インフラ投資を成長戦略の柱としてますます重視するようになっており、政府はここ数年、日本企業が世界で高速鉄道建設を受注できるよう後押ししてきた。
中国現代国際関係研究院日本研究所の胡継平所長は、「日本がインフラ分野への投資を重視するのは国内需要が経済を牽引する力が弱いことが主な原因で、海外市場に希望を託して日本経済を牽引してもらおうとしている。これは『アベノミクス』が国内で成果を上げることができた原因でもある」と話す。
第二次世界大戦の終わりからほどなく、青と白の車体の弾丸列車が日本の廃墟からの驚異的なペースでの復興のシンボルとなった。大阪-東京間の所要時間がそれまでの7時間から4時間に短縮され、日本人の生活スタイルや仕事の仕方を根底から変えるとともに、50年にわたりのべ56億人の乗客を輸送しながら、死亡事故が1回も起こらないという記録もうち立てた。胡所長は、「日本の鉄道建設は技術面でもコスト面でも相当の強みをもっている。プロジェクト借款という優遇条件も十分に魅力的で、他国との市場競争での優位性は相対的に大きいといえる」と述べる。
だが中国、フランス、ドイツなどの高速鉄道技術がますますレベルアップするのにともない、新幹線がうち立てた輝かしい記録は今や伝説ではなくなった。今では平均速度では中国の高速鉄道が新幹線を上回り、世界最速の列車だ。次々に現れるライバル達を前にして、日本は今後、うかうかしているわけにいかない。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年12月10日