世界の物性物理・材料物理界を長年悩ませてきた難題が、このほど解消された。米アルゴンヌ国立研究所、南開大学、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校、米ノースウェスタン大学の科学者は共同研究により、単原子の厚みしか持たない二次元ホウ素材料「ボロフェン」を合成することに成功した。同材料はその優れた電気学・力学・熱学的属性により、グラフェンに続く「神秘的なナノ材料」になることが科学界から期待されている。人民日報海外版が伝えた。
グラフェンは蜂の巣格子を持つ単層の炭素原子構造で、現在知られている中で最も薄く頑丈なナノ材料だ。科学者はグラフェンに続く、多くの秀でた特性を持つ二次元材料を求めている。ホウ素は炭素の「隣人」であることから、中心的な目標になった。
南開大学物理学院の周向鋒教授、玉慧田教授、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の教授らは2014年、進化的アルゴリズムと第一原理を結びつけた計算により、独得な二次元ホウ素構造を予測した。同研究は実験学者のボロフェン合成の関心を引き起こした。アルゴンヌ国立研究所、南開大学、ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校、米ノースウェスタン大学のなどの研究機関は、高真空原子スパッタリングという方法により、銀の表面に初めてシワのある単原子層ボロフェンを生成した。共同チームの実験結果は、理論モデルとほぼ完全に合致した。
周知の通り、グラフェンは現在、世界で最も頑丈な二次元材料だ。同研究は二次元ホウ素が特定の方向で、グラフェンよりも高い強度を持つことを示した。例えば秀でた力学的性質があり、これに特殊な電気学・熱学的性質が加われば、ボロフェンの応用は高い将来性を持つ。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年12月24日