山西大学分子科学研究所教授の翟華金氏は15日午前、中国科学院長春応用化学研究所研究員の孫忠明氏との協力により、世界初の全金属サンドイッチ化合物、全金属芳香族サンドイッチ化合物の合成と特性評価に成功したと発表した。この研究成果は世界的に権威ある学術誌「米国化学会誌」に掲載された。光明日報が伝えた。
サンドイッチと言うと、人々はあの美味しい食べ物を連想しがちだ。翟氏によると、サンドイッチ化合物とは化学において、金属原子と2つのアレーンによってサンドイッチ化されたものを指す。1950年代に合成されたフェロセンは典型的なサンドイッチ化合物で、現在も薬の合成や工業用触媒などに広く使用されている。全金属サンドイッチ化合物、全金属芳香族サンドイッチ化合物はナノテクの新概念で、現在の教科書にはほぼ記載されていない。
国家自然科学基金などの資金援助を受け、両氏は長年に渡り新型芳香族クラスター・化合物の先進的な研究を進め、ついに初の全金属サンドイッチ化合物[Sb3Au3Sb3]3-の合成と特性評価に成功した。この化合物は3層金属の三角面の積み重ねによって形成される。サンドイッチされた化合物は2つの三角面の間に位置し、全体的に三角柱の構造を呈する。化合物の電子構造の詳細な分析によると、同化合物には幅広いエネルギーギャップ(3.08eV)があり、この全金属化合物が半導体の特徴を呈する可能性がある。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年9月17日