2016年を近く迎えるにあたり、中国の習近平国家主席は新年の祝辞で、国際社会が「各国の人々が共有し、共に享受する人類運命共同体を共に構築することを希望する」と真摯に語った。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
「人類運命共同体」という理念が示されたのは決して初めてではない。2012年の中共の第18回党大会は「人類運命共同体意識を提唱する必要がある」と明確に打ち出した。中国新指導部の発足後、人類運命共同体の構築は中国外交の国際舞台における重要な旗印となっている。
「人類運命共同体」は中国が世界情勢に対して主導的に打ち出したアジェンダであり、この理念は「中国はどのような世界の建設を追求しているのか」という質問により明確に答えるものだ。中国は平和、発展、協力、ウィンウィンという時代の潮流はさらに力強くなり、国際パワーバランスは引き続き世界の平和と発展にプラスの方向へと推移していくと考えている。世界の多極化、経済のグローバル化、文化の多様化、社会の情報化は引き続き進み、世界各国は利益が一層融合した運命共同体となるとともに、一層複雑な世界的試練にも直面する。したがって、冷戦思考とゼロサムゲームはすでに時代後れであり、協力・ウィンウィンこそが各国の付き合いにおける合理的な選択だ。
こうした判断に基づき、中国は人類運命共同体を築くために「五位一体」の全体的な道筋と布陣を示し、平等、相互協議・理解のパートナーシップの構築を提唱している。公正・正義、共に構築し、共に享受する安全保障構造の構築を提唱している。開放・革新、包摂・互恵の発展ビジョンの追求を提唱している。和して同ぜず、様々なものを受け入れる文明交流の促進を提唱している。自然を尊ぶ、グリーン発展のエコシステムの構築を提唱している。中国の外交理論革新が日増しに成熟し、グローバルな視野を備えるようになっていることは明らかだ。
中国は人類運命共同体の構築推進に尽力している。ボアオ・アジアフォーラムから国連の首脳会議まで、習主席は人類運命共同体をテーマに重要な演説を行い、この重大な主張を全面的に系統立てて明らかにし、発展途上国を始めとする国際社会からあまねく肯定され、歓迎された。