ニュージーランド最大の都市・オークランドで4日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の署名式が行われた。今後は、参加12カ国の議会承認などを経て正式に発効することになり、これらの手続きが完了するのは時間の問題だ。環球時報が伝えた。
米国のオバマ大統領は4日、TPPにより米国は中国との競争で優位に立てるとし、「TPPによって、21世紀の道筋を作るルールを、中国などの国々ではなく米国が決めることができる。これはアジア太平洋地域にとって極めて重要だ」と述べた。オバマ氏がTPPと中国について公の場でこのように語るのは、これが初めてではない。やや心の狭い考え方であり、大国の大統領としての風格に欠けると言わざるを得ない。
TPPの参加12カ国の国内総生産(GDP)規模は全世界の40%に達するが、参加国の貿易額は全世界の25%を占めるにとどまる。TPPはハイスタンダードを強調し、参加国の国有企業、環境保護基準、労働政策および知的財産権の保護といった面で高い要求を突き付けている。もう一つの特徴は「米国が中心」である点で、米国のグローバル企業の利益が交渉において最も重要な座標となっている。
オバマ政権はもともと環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)の計画も持っていた。TPPとTTIPという2つの貿易協定で米国を中心とする「ハイスタンダードな貿易体制」を再構築するというものだ。しかし任期が残り1年を切ったオバマ氏にTTIPの交渉を進める時間が残っていないことは明らかだ。
米国は確かに、ルールの制定において一歩リードし、中国とのいわゆる「ルール競争」でポイントを稼いだ。しかしTPPは単に21世紀のアジア太平洋経済を米国の思惑通りに点線で描き出しただけのものであり、真の21世紀がどうなるか、実際のルールが何になるのかは、真の成形力が決めることだ。