しかし結局のところ、日本と欧州のQEは「西施のひそみに倣う(善し悪しも考えずに、人のまねをする)」であった。その原因は、「債務国」の英国や米国と違い、ユーロ圏と日本は「債権国」であるためだ。このため、世界経済危機後のマイナス金利は米国と英国の回復を刺激したが、ユーロ圏と日本にはほぼ効果はなかった。
安倍氏は2012年の就任以来、通貨の大量発行や政府支出の拡大を中心とする一連の経済刺激策を実施した。このアベノミクスによって円安が進み、日本の輸出企業や株式市場は一度は大きな利益を得たが、根本的に不景気の問題を解決することはできなかった。張季風氏によれば、アベノミクスの抱える問題は近年ますます多くなっているが、安倍政権は間違った政策を放棄するつもりはなさそうだという。
欧州中央銀行総裁のマリオ・ドラギ氏は最近になって、「今のグローバル環境において、現在の金融政策方針は効果的ではないのかもしれない」と認めた。安倍氏はいつになればそのことに気付くのだろうか?その時こそ日本経済の転機となるのかもしれない。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年2月16日