羊肉の輸出市場については、中国はオーストラリアにとって重要な市場には違いないが、現時点においては、決して最も重要な輸出先ではない。過去の長い間、オーストラリアの畜産農家にとって最も重要な市場は米国と中東湾岸諸国だった。また、報告によると、日本もこれまで常に、オーストラリア産羊肉の重要な輸出市場だった。
中国についていえば、オーストラリア肉類・牧畜業協会の報告は、「中国におけるオーストラリア産羊肉の消費者数は増加傾向にあり、オーストラリアにとって中国は将来性の高い市場に違いない」と指摘している。一方、報告の統計データによると、2015年、オーストラリア産羊肉の中国向け輸出量は減少した。その主な原因は、オーストラリア産羊肉の価格が高すぎる一方で、中国産羊肉の生産量が増加しており、かつ新鮮さと価格面で大きな優位性を備えていることによる。
ニュージーランド牛肉・羊肉協会の報告によると、2014-2015財政年度、ニューランド産羊肉の総輸出量は1.5%減少した。EUはニュージーランド産羊肉の最大の輸出市場であり、輸出全体の49%を占めている。中国を含むアジア北部は2番目に大きい輸出市場であるが、中国を中心に輸出量が落ち込んでいることから、アジア北部向け輸出総量は10%減少した。中国国内での羊肉生産量が急増していることが、中国向け輸出羊肉量が減少した原因となっている。