中国南西部国境は世界三大麻薬生産地の1つである「ゴールデン・トライアングル」に隣接している。同地域は中国に流入する最大の麻薬生産地だ。ケシの生産面積はピークだった1990年代と比べると大幅に減少したが、ヘロインは依然中国に流入している。また、合成麻薬の生産量が大幅に増加し、中国への浸透が拡大している。中国政府はかねてより麻薬撲滅という一貫した立場を堅持し、広範な参加、責任分担の原則を堅持し、国際・地域麻薬撲滅事業の不断の発展に積極的に参加し、努力してきた。特に大メコン圏(GMS)準地域において中国側は地域の大国としての役割を発揮し、多国間・二国間の協力を先導し、麻薬取り締り、代替発展、人員育成などの措置を講じて、麻薬撲滅協力を拡大し続け、ゴールデン・トライアングル地域の麻薬問題解決のためにたゆまず努力してきた。人民日報が伝えた。
■大メコン圏準地域麻薬撲滅協力体制・二国間麻薬撲滅協力体制を深化・拡大、協力のレベルを深め、分野を拡大
1993年、ゴールデン・トライアングル地域および周辺のGMS国家間でより効果的な麻薬撲滅国際協力を展開し、地域における麻薬の蔓延を抑制するため、中国、ミャンマー、ラオス、タイ、国連薬物統制計画(現在の国連薬物犯罪事務所)東アジア・太平洋地域センターはGMS準地域麻薬撲滅協力覚書(MOU)に調印した。
1995年5月、第1回MOU閣僚級会議が北京で開かれ、ベトナムとカンボジアを調印国として受け入れた他、「北京宣言」と「大メコン圏準地域麻薬撲滅行動計画」を採択し、国連が麻薬撲滅事業を支援する形で大メコン圏準地域協力を展開することを決定した。MOU制度は世界でも早い時期に設けられた準地域麻薬撲滅制度であり、大メコン圏準地域麻薬撲滅行動計画は世界初の準地域麻薬撲滅行動計画だ。
近年、中国政府は責任ある大国の姿勢で、国際的な麻薬撲滅の義務を真剣に履行し、国連の3つの麻薬撲滅国際条約およびMOU制度の下、MOUの各調印国と協力して麻薬撲滅に取り組んできた。MOUパートナーシップ行動計画の開始から20年、中国側は各協議およびパートナーシップ行動計画の枠組の事業の実施に常に積極的に参加してきた。中国政府のUNODC麻薬撲滅事業への出資額は2007年以前の年間4万ドルから現在は毎年100万ドルに増加した。その圧倒的多数は大メコン圏準地域の麻薬撲滅協力事業に用いられ、政治的意思と実務的行動によってMOU制度の持続的で健全な発展に活力を注いでいる。