2016年4月25日  
 

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伝統と現代の衝突から生まれた国・日本 (3)

人民日報・丁剛記者の訪日手記(4)

人民網日本語版 2016年04月25日10:07

駅の弁当屋に設けられている小さな手洗い場。

私は今一つ、現在の流行語である「匠の精神」を例にこの問題を説明しようと思う。日本滞在期間中、代表団のメンバーは日本人の匠の精神について感嘆し、討論することがしばしばだった。たった数日でも、私たちは日本人の生活と仕事に対する精緻さの追求が世界でも特別なことを感じていた。駅のそばにある小さな弁当屋のカウンターの左下にはわずか30センチあまりの大きさの手洗いが設置されており、旅館に置かれていた櫛は程よいカーブがついていて、ちょうど頭の形にそって髪をとかすことができる。歯ブラシのヘッドは小さく、口の中で小気味よく動かすことができる。全ての公衆トイレには消臭剤の小さな箱が設置されている。コーヒーカップには取っ手があるが、湯呑みには無い。その理由は手で湯呑みを触った時に熱いと感じない場合、湯呑みの中のお茶の温度はちょうど60℃前後、これはお茶の香りが最も濃く出る温度なのだという。木製の箸は、箸の先だけ細いのではなく、両側が細くできており、こうすれば一膳の箸で取り箸としても自分の箸としても使うことができるからだ。

生活の隅々まで精密さが無ければ、様々な業種の職人が高い精度を成し遂げるのは難しい。生活と仕事において精緻さを追求することを十分に広めるような体制が無ければ、伝統的な匠の精神は利潤の追求のため、消滅してしまうだろう。匠の精神とは道徳の産物であり、また体制の産物でもある。これは日本の現代製造業の魂であり、高い給与や多くの投資で得られたものでは決してない。


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