情報によると、日立オートモティブシステム社新開発の48Vリチウムイオン電池パックは、BMS基板、セルに加え、リレー、ヒューズを一体実装した、積載性の高いオールインワンパッケージの電池パックで、低温特性に優れ、従来の自社製電池セルと比較して約1.5倍の出力密度となる高出力な角形リチウムイオン電池セルを内蔵。48Vシステムに用いられるモーターでの加速アシストにおいて、充分なトルク性能が発揮できる最大出力10kW以上、最大入力13kW以上(いずれも10秒間)を実現した。また、コンパクトなデサインで、車室内での設置自由度の向上にも貢献する。同社は、今夏以降より自動車メーカーへサンプル製品の供給を開始し、2018年度の量産を目指す。
サムスンやLGといった動力電池の大手が相次いで中国で工場を建設したのに続き、パナソニックも中国の協力パートナーとともに大連に車載用リチウムイオン電池工場を新たに建設することを正式に発表した。電気自動車とプラグインハイブリッドカーに使用する角型のリチウム電池の生産に使用し、2017年の生産開始を目指す。投資額は500億円規模で、同社はこの分野の中国での売り上げ年間1000億円規模を狙う。
パナソニック中国の殷志明総経理(社長)は、ミュンヘン上海電子設備展示会(Electronica China)での取材において、「リチウム空気電池、グラフェン採用電池の量産にはまだ十数年かかるため、向こう5年間はリチウムイオン電池が新エネルギー車の主な動力源となる」と述べていた。
パナソニックはすでに米テスラと提携し、50億ドルを投じて米国にリチウムイオン電池工場を新設しており、今年にも生産が開始され、2020年までに同工場は電気自動車50万台分の電池を生産する計画だ。中国への生産能力転換を通じ、パナソニックは鍵となる中米二大市場の車載電池事業の確固たる基盤を確保したい考えだ。
パナソニック中国車載統括部の俞芦勇マネージャーは、「中国新エネルギー車市場の急速な拡大と関連工場の品質、安全性能への要求が絶えず高まるにつれ、パナソニックの中国市場でのチャンスはますます多くなっている。現地の顧客目線で、顧客ニーズに適った商品開発とソリューションの提供は我々の発展の方向性である」と語った。(編集MI)
「人民網日本語版」2016年4月28日