優遇政策の牽引の下、中国新エネルギー車市場は急速な発展を実現した。2015年の世界における新エネルギー車販売台数では、中国一国が6割の市場シェアを貢献、33万台の販売を実現し、米国を抜いて世界最大の新エネルギー車市場となった。「第13次五カ年計画」によると、2020年に、中国の新エネルギー車年間生産台数は500万台に拡大する。この巨大な成長空間は各企業を引き付け、リチウム電池といった川上・川下市場進出に繋がっている。国際商報が伝えた。
新エネルギー車の発展において、電池技術の未熟さゆえの価格の高騰や充電設備不足といった問題は、電気自動車の世界的普及を妨げる主な要因となっていた。米コンサルティング会社アリックスパートナーズの自動車業界専門家は、「世界で中国の電気自動車市場だけがその莫大な規模を生かして電池価格を引き下げることができる」と指摘しており、これを受けて日立やパナソニックといった日系メーカーはいずれもリチウム電池の研究開発への投資規模を拡大させている。
現在開催中の「北京モーターショー2016」では、日立オートモティブシステムズ株式会社が最新の高出力48Vリチウムイオン電池パックを初めて披露している。同社は、「低燃費や高いコストパフォーマンスといった点により、48Vリチウムイオン電池を搭載するハイブリッドカーは中国や欧州市場でさらに大きな発展が見込める」とし、2023年に中国のミドルクラスのハイブリッドカー年間生産台数は400万台を超え、欧州市場では200万台を超え、この勢いはその後もさらに拡大されると予測している。
ミドルクラスのハイブリッドカーとは、エンジン駆動時に小型の電池とモーターのアシストによって低燃費を実現するミドルクラスのガソリンと電気の2つの動力源をもつ自動車である。近年、電池と電動機のアシストによるミドルクラスのハイブリッドシステム、とりわけエンジン駆動時に48Vリチウムイオン電池とモーターでアシストするミドルクラスのハイブリッドが自動車の燃費改善技術として中国や欧州自動車市場で大きな注目を集めている。