●コスプレではお金は稼げないが出費は多額
コスプレで遊ぶには、多額の資金が必要だ。コスプレ衣装1セットの代金は、70元(1元=約16.7円)から1千元までさまざまだ。このほか、100元ほどでカツラを購入しなければならない。コスプレイヤーのAさんは、「コスプレイヤーの親は、子供のコスプレを支持もしないが、反対もしないという人が多い。だが、親に趣味がコスプレだと知らせていない子供もいる。コスプレイヤーの多くは、生活費の一部を充てる、あるいは古着の衣装や道具を売り買いして、なんとか賄っている」と話した。
コスプレイヤーの圧倒的多数は、コスプレをお金を稼ぐ目的にはしていない。「漫画・アニメ愛好家」という御旗のもとに、彼らは集まるようになり、好みが同じ人と知り合って交流し、友人関係を築いていく。
●今もなお存在する、コスプレが時々誤解される「次元の壁」
コスプレイヤーの身なりは、ふつうの人から見ると理解しがたい。済南で開かれた「五一」連休中のアニメ・漫画展では、「ノラガミ(野良神)」に登場する美女武神に扮した桜さん(仮名)が、あるメディアのカメラマンに請われて撮影のためにポーズを取っていた。彼女の写真は、他のコスプレイヤーの写真と一緒にネット上にアップされた。関連サイトには、「学生漫画展」「大胆な露出」「挑発的」などの字句が並んだ。
この騒動の発端となった人物や一部サイトは、全国に広がったアニメファンからの「糾弾」に対して謝罪の意を示したが、桜さんは、依然つらい気持ちを抱えているという。彼女は、「コスプレイヤーは心の中で、アニメ・漫画の世界に参与する人は全員、アニメ・漫画を理解しており、大好きで、コスプレに対しても承認・理解していると思っている。衣装の露出度について関心を向けることなどあり得ない」と話した。
このほか、コスプレが「売国行為」であると誤解される場合もある。あるコスプレイヤーは、「たまにコスプレが嫌いな大人に合うと、『売国奴』とののしられる。たとえ国産アニメ・漫画の登場人物であっても、日本の作品を模倣したものだと誤解され、同じようにののしられる」と訴えた。