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2016年7月14日  
 

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ベテラン日本語通訳者・蔡院森さんお勧めの通訳練習法 (2)

人民網日本語版 2016年07月14日10:21

同時通訳者になるためにはどんな訓練が?

同時通訳者の訓練には手順がある。まず練習しなければならないのは復唱。録音を聞いて、それを何度も復唱する。次に、時間差による復唱の練習。録音を聞いて、少し時間をおいてからそれを復唱する練習で、最終的には同じタイミングで復唱できるようになるまで練習する。次に、メモを見ながらの通訳の練習。最後は完全に同時にタイミングで通訳する練習だ。

初心者の同時通訳者に対しては、蔡さんは以下の練習法を提案している。▽毎日、1-2回、1回10-15分、復唱をする▽毎日、録音やテレビを使って通訳の練習をし、練習を通して、自分の課題を見付ける▽資料を30分朗読する▽毎日、早口言葉の練習をする。これらの練習を通して、反応が機敏で、言い回しも流暢な同時通訳者になることができる。

同時通訳は足かせを付けたダンサーのよう 漢字に惑わされるな

蔡さんはまた、日本語の同時通訳者を「足かせを付けたダンサー」に例えた。なぜなら、日本語は他の言語と違い、中国語と同じで漢字を使っているため、通訳者にとってはその漢字が足かせとなることがあるからだ。「中国語を聞いた時、日本語の対応した漢字を使って直訳してしまいがち。逆に、日本語を聞いた時も、自然と対応する中国語の漢字を使って訳してしまいがち」と蔡さん。「そうなると、訳した日本語が不自然だったり、流暢でなかったりし、深刻な誤訳となってしまうことさえある」。

「例えば、日本語の『生産年齢人口』をそのまま中国語に訳すると、大体の意味は分かっても、自然な中国語とは言えない。正確な中国語は、『適齢労働人口』。発言者の言葉を最大限理解したうえで、聞く側が最も自然に感じる方法で訳して伝えるというのが通訳者の仕事だ」。

「さらに、日本語にも中国語にも『軍属』という言葉があるが、意味は全く違う。中国語の『軍属』は軍人の家族という意味であるのに対し、日本語の『軍属』は、軍人以外で軍隊に所属する人のことを指す。また、日本語の『連鎖販売』という漢字を見ると、中国人は『チェーン店』を思い浮かべるだろうが、日本語の意味は『マルチ商法』で、全く意味が異なる。中国と日本語の間の通訳は、漢字が足かせとなるため、難易度が高い。正しい通訳をしようと思ったら、一生懸命努力するしかない」。 (編集KN)

「人民網日本語版」2016年7月14日 


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