今年11月には全国大・中都市70カ所の不動産価格の前月比増加率が縮小したが、前年同期比で上昇したところが69カ所に上った。全国の不動産市場をみると、市場には分化の進行や好不調のアンバランスがみられ、一線都市や二線都市は価格が急速な上昇を続け、三線都市や四線都市の情況は安定していたが、冷え込みをみせたところもある。人民日報が伝えた。
不動産仲介の中原地産代理有限公司の市場研究部の張大偉総監は、「不動産市場の分化が今年の市場の目立った特徴だ」とし、次のように述べた。現在のような経済発展や公共資源の分布がアンバランスな情況で、一線都市と二線都市の不動産価格は上がりこそすれ下がることはあまりなく、上昇幅は驚くほどだ。市場全体をみると4つの明らかなアンバランスがある。需要のアンバランス、供給のアンバランス、在庫のアンバランス、価格上昇幅のアンバランスだ。
中原地産のモニタリングによれば、2012年の不動産供給率は、一線都市が1.14、二線都市が1.21で、三線都市と四線都市はこれより高く1.39に達した。今年は11月までで、一線都市が0.87と供給不足になったが、二線都市、三線都市と四線都市は12年の水準を維持して非常に穏やかな情況だった。
一線都市と二線都市の上昇幅は三線都市と四線都市を明らかに上回り、需給の逼迫による影響だけでなく、土地供給の問題も背景にある。
張総監は、「2011年に不動産購入制限令が発動されてからの1-2年間で、一線都市の土地供給は減少した。三線都市と四線都市は大量の在庫を抱え、消化に時間がかかることから、不動産企業が一線都市と二線都市に徐々に回帰するようになり、大挙して先を争うようにして市場価格への期待を引き上げた。不動産価格が上昇すると、需要が一気に増加して価格上昇が加速するという悪循環を招いた」と話す。
そこでうち出された調整や引き締めの政策が10月と11月の一線都市における不動産価格の伸びを着実に鈍化させたが、需給の矛盾点は根本的に解決されておらず、伸びの鈍化のペースは相対的に遅いといえる。