工商登録・登記に長らく従事してきたある専門家はさらに次のように説明する。仮に上海自由貿易区の中で「中国のジョブズ」が生み出されるとしよう。この「ジョブズ」が計画し起業する「アップル」のコストは極限まで切り下げられるものとし、「ジョブズ」は株主の出資比率に応じて約定を定め資本の引き受けを行い、理論的には集める資金には下限がない。最終的に自由貿易区で中小企業を開設する場合のコストは、関連企業の経営地点の賃貸価格によって決まるのであり、これ以外の資本はほとんど考えなくていいという。
李総理の政府活動報告では、同区がもつ「複製可能、普及可能」という意義が強調された。実際、昨年に同区で登録資本の引受資本登録制度などの改革事業が試験的に行われた後、今年3月1日には国によって登録資本登記制度の改革が全面的に行われた。このたびの改革では起業法人の登録資本金の最低額、経営地点に関する制限、年度監査などの規定が全面的に撤廃され、市場主体の参入のハードルが大幅に引き下げられた。ここからわかることは、今や一般的な起業家は自由貿易区の内外で、以前よりずっと緩やかな投資環境に囲まれているということだ。
「外国人が自由貿易区で起業する」という新しい概念に対し、同区は次のように説明する。法律や規則に合致した外国籍の個人は、自由貿易区内に有限責任公司を設立することができる。これはつまり、中華人民共和国の各種の法律・法規を遵守し、「中国(上海)自由貿易試験区管理規定」に基づき、自由貿易区のネガティブリストに掲載されていない産業分野であれば、外国籍の個人も企業の登録を申請できるということだ。
全国政協の張小済委員(国務院発展研究センター研究員)によると、上海自由貿易区の建設と発展は歴史的な転換という意義をもつ大きな出来事であり、その設立は中国の未来の対外開放において新しい道や新しいモデルを模索する上での重要な方法になるという。
多くの代表や委員が、遠くない将来、世界各国の「次のジョブズ」を目指す人たちが上海自由貿易区にやってきて、この地で「中国のジョブズ」が生まれると予測する。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年3月6日