中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は10日、ボアオ・アジアフォーラムに出席した際に、「滬港通(上海証券取引所と香港証券取引所の間で、互いの上場株式に対する売買注文を受け付ける制度の試行)の双方向投資の進展を奨励する。関連する管理政策とその他の改革も同時に推進する」と語った。中国証券報が伝えた。
周総裁は、「チャンスと課題が共存している。中国大陸部の金融界は、両地金融協力の深化に注目している。両地は互いに開放しなければならず、資本市場も開放的に発展しなければならない。両地は積極的に技術の準備を進め、準備が整い次第協力を進めていく」と述べたほか、「人民元クロスボーダ決済額が大幅に増加しているが、この取り組みはまだ開始段階にあり、将来的に長い発展の過程を経るだろう。通貨の選択については、市場参加者の選択を十分に尊重する。政府と管理者は、自らの事業に取り組む。香港は人民元クロスボーダー決済の促進の面で、非常に重要な働きをしている。オフショア人民元市場の発展も、香港の国際金融センターとしての地位を固めることを促す」と指摘した。
周総裁は、今後は次の四つの取り組みを強化するとした。
(一)域内企業と金融機関による、香港での人民元建て債券の発行に関する取り組みを続け、香港の企業と金融機関が域内でパンダ債(域外企業が中国本土で人民元建てで発行する債券)を発行することを支持する。域外金融機関が人民元建て債券を利用し域内銀行間債券市場で債券買い戻し事業を展開することの許可を検討する。人民元適格域内投資家事業を推進し、域内機関投資家が人民元建てで域外証券に投資することを許可する。これらの事業は人民元適格外国機関投資家(RQFII)と共同作用を発揮し、域内人民元双方向流動ルートを切り開く。
(二)為替相場は外為との連動を徐々に解除し、変動幅を拡大させる。
(三)条件に基づき、人民元預金金利の範囲を拡大し、金融機関の自主的な価格決定能力を高める。
(四)人民元資本項目の兌換性の実現を着実に推進し、クロスボーダー直接投資の外貨使用における利便性を高める。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年4月11日