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中国の単層カーボンナノチューブ研究に進展、ネイチャーに掲載

人民網日本語版 2014年07月02日13:24

単層カーボンナノチューブはグラフェンが一定方向に沿い曲がることによって出来た中空円筒で、巻き方によって金属導体もしくはバンドギャップの異なる半導体になる。これはカーボンナノチューブの優れた特質だが、その製造に大きな課題を突きつけてもいる。一般的な方法により作られた試作品は、いずれも異なる構造のカーボンナノチューブによって構成された混合物であり、単一の単層カーボンナノチューブの選択領域生成が一つの難題となっている。各国の20数年の取り組みによってもこの難題は解消されておらず、カーボンナノチューブの研究・応用のボトルネックになっている。この難題に取り組んできた北京大学化学・分子工学学院の李彦氏が率いる研究チームはこのほど、その解決策を見出した。研究成果をまとめた論文は6月26日のネイチャー誌に掲載された。人民日報海外版が伝えた。

シリコンCMOS集積回路のミクロ電子技術は今後10年ほどで、発展の限界に達する見通しになっており、ムーアの後の時代の電子技術が必要となっている。国際半導体技術ロードマップ(ITRS)専門委員会は2009年、カーボンナノチューブとグラフェンに基づくカーボン電子学技術を、今後10−15年に商業的価値を示す可能性のある次世代電子技術として位置づけた。材料はカーボン電子学の発展の基礎と鍵であるが、カーボンナノチューブ構造の生成の制御が実現されていない。これはカーボンナノチューブ電子学のボトルネックになっている。

日本人科学者の飯島澄男氏は1991年、電子顕微鏡でカーボンナノチューブを発見した。その後、世界ではカーボンナノチューブの研究がブームになった。

李氏の研究チームは10数年に渡り、単層カーボンナノチューブの生成の制御を研究してきた。特に触媒の系統的な研究により、独自性を形成した。カーボンナノチューブの触媒の性能を理解することで、同チームは固定的な構造を持つ触媒により生成を制御するカーボンナノチューブ構造の案を示し、タングステン合金の触媒の研究を進めた。この触媒のナノ粒子の融点は非常に高く、単層カーボンナノチューブの高温環境下でもその結晶体の構造と形状を留めることができる。このタングステン合金ナノ結晶を触媒とすれば、特定の構造を持つ単層カーボンナノチューブを作ることができる。

同チームの研究の革新性は、主に次の点によって示されている。(1)単層カーボンナノチューブ構造の制御を実現。(2)新型タングステン合金触媒を開発。(3)温和な条件下でタングステン合金ナノ結晶を作る新方法の開発。(編集YF)

「人民網日本語版」2014年7月2日

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