有人潜水艇「蛟竜号」は7月4日、母船「向陽紅09号」に搭載され福州市馬尾港を出港し、西太平洋の科学調査の旅を始めた。これまでとは異なり、蛟竜号は今回単独潜水を実施せず、同じく深海作業が可能な、潜水士が遠隔操作する小型無人潜水艇「竜珠号」と共に海底世界の探査を実施する。これは中国の有人潜水艇、無人潜水艇の共同作業という新たなモデルとなる。中国科学報が伝えた。
竜珠号は中国科学院瀋陽自動化研究所が、国家ハイテク研究発展計画(863計画)の海洋技術事業の資金援助を受け独自に開発した小型無人潜水艇で、全長・幅・高さは約40cm、重量はわずか40kgとなっている。推進器が搭載されており、フレキシブルな運動が可能だ。また搭載されているカメラにより、水中を監察し、映像を撮影することができる。
竜珠号プロジェクトの担当者、瀋陽自動化研究所研究員の李智剛氏は記者に対して、「竜珠号は蛟竜号と細い光ケーブルで結ばれ、潜水時には蛟竜号の側面のサンプル収集用のケースに収められる。潜水士は蛟竜号の球体船室内で、これを遠隔操作する」と説明した。
李氏は、「竜珠号は蛟竜号と、共同作業モデルを形成する。前者は後者の観測範囲を拡大し、後者が進めない狭く複雑なエリアでの観測を実施する。また前者は外から後者の作業状況を撮影することができ、後者に先んじて未知の海底を調べることができる。必要であれば、後者の推進器と外部故障の検査を実施できる。緊急時には、後者の緊急脱出システムのスイッチを入れることも可能だ。深海熱水区など、局地的なエリアにおける詳細な観測にも重要な意義がある」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年7月8日