北京動物園はこのほど、1万元(1元は約16.6円)でパンダのオーナーになれるキャンペーンを実施している。ラジオ放送・中国之声の「央広新聞」が報じた。
同動物園のスタッフによると、動物園の管理規定に基づき、500元を寄付するとオーナー証書が発行され、1年中無料で動物園に入って「自分の」動物を見ることができる。また、1万元以上寄付すると、命名権を得ることができる。オーナーの権利は1年間有効。現在、30種類以上の動物に、個人や団体のオーナーが付いている。希少動物の場合、オーナー権の費用が少し高くなる。例えば、パンダは通常1万元以上で、上限はなし。寄付者が自分で金額を設定できる。スタッフによると、「同キャンペーンは人々に動物保護の意識を向上させてもらうのがねらい。オーナーになっても、動物は動物園で飼育されるが、オーナーは有効期限内に6回、飼育員の付き添いの下、餌をあげたり、触ったりする権利を持つ」という。
また、動物が病気になったり死亡したりした場合は、オーナーにすぐに知らされ、オーナーは随時動物の状況を把握することができる。
同キャンペーンはネット上で話題となったほか、出産予定のある夫婦達が、「自分の子供が、動物と一緒に成長してほしい」と、出産予定のある動物に関する問い合わせを寄せているという。同キャンペーンをめぐっては、一部のネットユーザーから、「動物園は金稼ぎに走っている」という声が上がっているものの、生物多様性国際研究プログラム (DIVERSITYS)のメンバーである、動物保護専門家の楊道徳氏は、「現在、一部の動物園は、資金が足らず、動物を飼育するという責任を果たすことができない。そして、ライオンやトラなどの大型の肉食動物が、餌が足らずに不健康になっている。動物園の閉鎖という状況も発生している。これらのことを考えると、オーナー募集というのは価値ある保護方式。もちろん、オーナーや一般人が監督できるように、動物園は資金の用途を公にしなければならない。オーナーも、資金が確実に動物保護のために使われるよう、保護状況に関心を持たなければならない」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年8月19日