東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)は16日、中国遼寧省撫順市で開催された「平頂山事件追悼式典」に参加した。出席した同組合の斉藤弘敦中央執行副委員長は、挨拶の中で、中国山間部の厳しい環境の子供達に、19校の小学校を建設してきたことに言及した。人民網が報じた。
中国では最近、「同組合が今後、中国で19校の小学校を建設すると約束した」との報道が流れたのを受け、東京にある同組合の本部は「誤報」と指摘し、事実として斉藤副委員長が言及した19校の小学校はすでに完成した。
斉藤副委員長は、式典の挨拶全文を人民網に提供。初めに、「82年前に日本軍が犯した『平頂山虐殺事件』の犠牲者やご遺族の皆さんに対し、心から謝罪する」とし、「私たちは1993年に、この地を訪れ歴史的事実を知った。侵略戦争の真実を忘れないために、『不戦』を誓い合うために、組合員や家族など2500人以上がこの地を訪れた。事実を知った若者から『何かできないか』との声が上がり、中国山間部の厳しい環境の子供達に、19校の小学校を建設してきた。組合員は2年間にわたるカンパ活動を行い、建設に必要な費用を集めた」とした。
同組合は、1998年4月に、中日友好実現のために、中国の希望プロジェクトに賛同し、希望小学校建設援助を実施。建設援助にあたり、当時の組合員5万4000人が「一人一週間10円カンパ」を展開し、定期的に街頭募金活動なども行いながら、広く一般市民にも支援を呼びかけた。
同組合が建設したのは、河南省、青海省、吉林省、遼寧省、海南省、北京市、河北省、内蒙古(モンゴル)自治区、四川省、湖北省、黒竜江省などの11省・市・自治区の19校。その多くが、99年から2000年の期間に完成した。建設後も、各小学校と同組合の各地方本部間が、10年間継続した相互交流を行い、スポーツ用品寄贈や図書・文具贈呈なども実施してきた。同組合本部によると、19校の建設費用はいずれもカンパ活動で集まり、1校当たり300-500万円が使われた。
南京大虐殺から76年目を迎えた2013年12月13日、同組合のメンバー及び関係者40人あまりが、南京大虐殺遭難同胞記念館を見学し、南京大虐殺遭難者の追悼式典に参加した。
「人民網日本語版」2014年9月25日