2014年10月30日  
 

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中国の農村で起きていること、農民の声を伝える李睿珺監督 (2)

人民網日本語版 2014年10月30日15:53

---「遥かなる家」には、辺鄙な場所にある農村や子供、自然環境など、多くの要素が含まれているが、何を描写したかったのか?

李監督「文化、心、環境の3つの要素が崩れ去った環境下で、二人の子供が落ち着ける場所を探し求める」。

---なぜそのようなテーマを選んだのか?

李監督「私が生まれた村とユグル族が生活している場所は、沙漠を挟んで隣に位置していたため、私自身ユグル族のことをよく知っている。ユグル族の生活や文化は大きく変化している。例えば、ユグル族の言語が消滅の危機に瀕している。また、環境の悪化もユグル族の生活に大きな影響を及ぼし、生活できる場所を求めて、遠くに移動するしかない状況になっている。映画を通して、これらのことを記録したかった」。 

---前2作も、農村や高齢者、子供をテーマにしていた。なぜこのようなテーマにこだわるのか?

李監督「中国は農業大国で、多くの農民を抱えているが、高齢化にも直面している。多くの若者は出稼ぎに出掛け、農村では高齢者や子供を世話する人がいない。これは非常に大きな問題。両親が長期間子供と一緒に生活できないとなると、その関係に亀裂が入る。世話する人のいない農村の高齢者も悲惨。映画を通して、さらに多くの人が農村を理解し、農村で生活する高齢者や子供、環境の悪化に注目することを願っている」。

---このような映画は、商業的要素に欠け、興行収入が伸びないという人もいる。同映画の興行収入についてどのように考えているか?

李監督「同映画は2015年上半期に公開される予定。興行収入は予想できない。できるだけ多くの人に同映画を見てもらえるよう努力するだけ。おもしろおかしい映画のほうが好まれ、同映画のように何かを訴えるような作品はあまり注目されない。多くの人はお金を稼ぐことばかりに目を向け、周囲の人や周囲で起こっていることには目を向けない。お金を稼ぐために、家族との関係や健康など大切なものを捨てるなら、お金を稼ぐことの意義と価値が失われる。実際の砂漠化より、人の心の砂漠化のほうが怖い。見る人が少ないという理由で、この種の映画を製作することを諦めることは絶対にしない。その価値をお金で測ることはできないものある」。

---農村、農民、環境など、多くの人が注目している分野に言及されたが、現代の若者には、どのような特質が必要だと考えるか?

李監督「愛と寛容さが大切だと思う。愛があれば、寛容な態度を示すことができる。寛容さは多くの事を変えることができる。独立した思考もとても大切。今の人はあまり考えることをしないと思う。何かを聞いたり、見たり、考えたりすることを、意識的に拒み、何かを受け入れることを拒否するなら、自分で何かを考える能力を失ってしまうだろう」。(編集KN)

「人民網日本語版」2014年10月30日


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