(六)司法活動に対する監督を強化する。検察機関の監督権行使にかかわる法制度を整え、刑事訴訟や民事訴訟、行政訴訟に対する法的監督を強化する。人民監督員制度を改善し、検察機関が職務犯罪を処理する際の立案や拘留、財産の押収・凍結、起訴などの法執行活動を重点監視する。司法機関は、社会の関心に即応しなければならない。案件に対するメディア報道を規範化し、司法の公正に世論が影響するのを防ぐ。
司法人員が、当事者・弁護士・特殊関係者・仲介組織と接触・交流することを、法律に基づいて規範化する。司法人員が当事者や弁護士と私的に接触し、案件の情報を漏らしたり、情報の打診を手伝ったり、接待を受けたり、財産を受け取ったり、弁護士に代理や弁護の業務を紹介したりといった法律や紀律に違反する行為を厳しく禁じ、司法の仲介行為を断固として取り締まり、利益目的の司法の動きを防止する。
法律や紀律の違反で公職を負われた司法関係者や就業資格が取り消された弁護士や公証人には、法律職に従事することを終身禁じ、犯罪を構成するものについては法律に基づいて刑事責任を追及する。
各種の「隠れたルール」を断固として打ち破り、法の外での寛大な措置や「関係案」「人情案」「金銭案」を許さない。特権思想やエリート主義、横柄な態度には断固反対し、これを克服する。横柄で野蛮な法執行に断固反対し、これを罰する。司法分野の腐敗は絶対に許さず、集団の害となる例を断固として取り除く。
五、全国民の法治観念を強化し、法治社会の建設を推進する
法律の権威の源は、国民の擁護と信頼である。人民の権益は法律で保障しなければならず、法律の権威は人民によって守られなければならない。社会主義法治精神を大いに広め、社会主義法治文化を打ち立て、法治の実施への社会全体の積極性と自発性を高め、法を守ることを光栄とし、法に背くことを恥とする社会的ムードを形成し、人民全体を社会主義法治の忠実な信奉者、自覚的な順守者、揺るぎのない守護者としなければならない。
(一)社会全体の法治意識の樹立を推進する。国民全体の法知識の普及と法順守の徹底を「法による国家統治」の長期的で基礎的な事業として堅持し、法治の宣伝教育を隅々まで展開し、国民全体の自覚的な法順守、トラブル時の法活用、法に基づく問題可決を誘導する。指導幹部が率先して法律を学び、法順守の模範となることを法治意識の樹立の要と位置付け、国家職員の法律学習・運用制度を整備し、憲法・法律を党委員会(党組)中心グループの学習内容に組み込み、党校・行政学院・幹部学院・社会主義学院の必修科目とする。法治教育を国民教育体系に組み込み、青少年を対象として、小中高校に法治知識科目を設立する。
法知識普及の宣伝教育の体制を整備する。各級の党委員会と政府は、法律普及活動に対する指導を強化する。法律普及教育における宣伝・文化・教育部門と人民団体の役割を高める。「法執行者が法普及を行う」を原則とした法普及の責任制を国家機関で実施し、裁判官・検察官・行政法執行者・弁護士などによる案件を通じた法律の解説制度を構築し、法知識普及のための講師団やボランティアチームの建設を強化する。法治教育を精神文明建設の一環とし、大衆に対する法治文化活動を展開し、メディアの公益的な法普及を促進する制度を整え、新メディアや新技術の法普及における運用を強化し、法普及の効果を高める。
「権力には責任が伴い、権利には義務が伴う」という観念をしっかりと樹立する。社会的信頼の構築を進め、公民と組織の法順守に関する信用記録を整え、法律順守や信頼性に対する奨励メカニズムと法律違反と背任行為に対する懲罰メカニズムを整え、法律の尊重や順守を国民全体の目標とし、自覚的な行動を促す。
国民道徳の建設を強化し、中華の優れた伝統文化を広め、法治を支える道徳の力を高め、ルール意識を広め、契約精神を呼びかけ、公序良俗を普及させる。道徳分野での課題に対する法治の役割を生かし、法で定められた義務や社会的責任、家庭内責任の自覚的な履行を促す。
(二)多層的で多分野の法による統治を推進する。系統的な統治、法による統治、総合的な統治、根源からの統治を堅持し、社会統治の法治水準を高める。多層的で多形式の法治化を展開し、基層の組織や部門、産業における法統治を深化させ、各種の社会主体の自己抑制・自己管理を支える。市民のモラル、地方や民間の規定、産業ルール、団体規則などの社会規範を生かし、社会統治に対する積極的な役割を果たさせる。