注目すべきは、円安には重要な波及効果があり、国際資金の投機行為を誘発し、各国の通貨の競争的な下落を招くということだ。長年にわたり、超低金利の円は国際金市場で「さや取り引き」ができる主要通貨とされ、大規模なさや取り引きと実体経済には何の関係もないはずが、実際には国際金融市場の変動と投機行為をむやみに激化させ、各国の為替相場と実体経済の乖離をもたらしていた。
日本で量的緩和政策が行われるようになった初期には、多くの国が円安が誘発した競争的な通貨安を非難したが、日本政府は従わず、我関せずの態度を取った。さらに米連邦準備制度理事会と欧州中央銀行が実施した量的緩和政策により、世界中に「金融万能主義」の政策哲学をあがめ奉る風潮が広がり、実体経済の長期的で持続可能な復興には何のプラスにもならず、それどころか国際金融市場のリスクを大幅に増大させることになった。そこで、はっきりと心にとめておかなければならないことは、先進国はより責任ある金融政策を採って、懸念される新たな国際金融危機の発生をくい止めなければならないということだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月5日