映画「ジョン・ラーベ~南京のシンドラー~」のポスター
▽日本人俳優:事実は映画よりも残酷
俳優の杜江良氏は「ジョン・ラーベ」を見るために、埼玉県から1時間あまり電車に乗って下北沢に駆けつけた。杜江氏は「南京大虐殺については以前から知っていたが、映画を見て、歴史についてより深く知ることができた。映画の中で、日本軍が中国の人々を虐殺するシーンが非常に生々しく描かれていたが、事実は映画よりも残酷だ。日本軍が中国で犯した犯罪の多くは、映画では表しきれない。この作品が日本の多くの映画館で上映され、より多くの日本人がこうした映画を見ることを願う」と語ったほか、「これまで、戦争と関係のない役を演じることが多かった。戦争の体験者が数少なくなるにつれ、今後は反戦の作品に携わりたい、戦争の歴史を人々に知ってもらいたいと思うようになった」と語った。
▽民間団体:上映実現までの5年間、様々な困難を克服
「ジョン・ラーベ」は2009年に世界各国で公開されたが、右翼団体からの妨害などを受け、日本の映画館では上映が実現しなかった。日本の民間団体「南京・史実を守る映画祭」実行委員会は5年間の努力により様々な困難を克服、同作品の日本での上映権を購入し、今年5月にやっと公開にこぎつけた。
「ジョン・ラーベ」はこれまでに北海道、神戸、大阪、京都などで上映され、今後も高知、長野、名古屋などで上映されるという。
「南京・史実を守る映画祭」実行委員会のスタッフは記者に対し、「南京大虐殺の歴史にこれほど多くの日本人が関心を持っていることを嬉しく思う。この映画によって、多くの日本人が日本の侵略の歴史を理解することを願う」と語った。
スタッフによると、実行委員会は映画を上映するたびに、右翼による妨害に備えて警察に警備を要請し、弁護士などを現場に待機させている。準備期間には抗議の電話はなく、右翼からの脅迫もなかったが、万が一のことを考えて準備をしているという。なお、この日も右翼の妨害はなかった。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年12月11日