近年、大晦日になると、その年のネット流行語のオンパレードとなり、視聴者は「オリジナル性がなくなってしまった」と、うんざりした気持ちになっている。多くの人が、インターネットが普及する前の、春晩で生まれた「名セリフ」がその年の流行語になっていた時代をなつかしんでいる。数年前の「すごい才能を持っているね」、一昔前の「司馬光が水がめを壊す」などの名セリフは、考えに考えて生み出された。そのため、春晩の中でも、名セリフが生まれるコント・漫才系の演目が特に人気となっていた。
CCTVのアンケートは、ネットユーザーの間で大きな反響を呼び、「中にはおもしろいネット流行語もあるが、俗っぽい。春晩も、それらをそのまま使えば、単なる俗っぽい番組になってしまう。今年一年使った言葉を、春晩でまた使っても、何のおもしろみもない。春晩で使われた言葉を、次の年にみんなが使うというパターンのほうがいい」という声が次々に寄せられている。
しかし、春晩がネット流行語の「まとめ役」になってはならないというのなら、どのように庶民に近い番組にすれば良いのかというのが、CCTVの課題となっている。
CCTVの微博アカウントに寄せられているコメントを見ると、ネットユーザーが全てのネット流行語に対して「NO」を突き付けているわけではないことが分かる。例えば、11月に北京で開かれたAPEC期間中に大気汚染を防止するため、同市で走る車両を大幅に制限し、数千企業の生産を停止、こうして実現させた青空が皮肉を込めて「APECの青空」と呼ばれているが、この言葉は、皮肉やむなしさが込められているほか、ブラックジョークでもあり、機転を利かせた庶民から生まれた言葉でもある。そして、今年を代表する出来事も盛り込まれ、「2014年の縮図」とも言える。ネット上で生まれたこのような流行語なら、春晩の中に盛り込むと、視聴者との距離を縮めることができ、ブーイングが上がることもないだろう。