3D印刷の長所と短所
現代工業では金型の製造費用が高くつき、一定の量を製造しなければ損になる。また形状が非常に複雑で高い精度を要する部品は、加工が極めて困難であり、長い時間が必要になる。3Dプリンターの場合、複雑な形状をした物体を印刷する場合でも、立方体や円柱と同じく積層することになり、材料も節約できる。複雑な形状をした物体を迅速かつ正確に製造できることが、3D印刷の最大の長所だ。
しかし3D印刷は材料に多くの制限が存在する。3D印刷に使用できるのは、高速成形が可能な粉末状の金属、プラスチック、セラミック、砂などの材料で、成形後の機能は限定的だ。強度、高度、耐腐食性、耐衝撃性などの指標が、実用化の要求を満たすとは限らない。見栄えの良い模型を作るならばよいが、真の製品として使用するためには、使用環境の厳しい試練を乗り越える必要がある。これは容易なことではない。
中国、2016年に3D印刷産業体系を構築へ
中国工業・情報化部(省)、中国財政部(財務省)などは2015年3月に「国家付加製造産業発展推進計画(2015−2016年)」を発表し、2016年までに比較的整った付加製造(3D印刷)産業体系を構築し、年平均30%以上という売上の急増を実現し、全体的な技術水準で世界に並ぶとする目標を発表した。特に航空・宇宙など直接製造の分野で、3D印刷を世界先進水準に引き上げ、国際市場で高いシェアを占めることを目指すとしている。
具体的には、同産業に関連する国産の装備、コア部品、成形材料を研究開発し、重要なコア技術を把握する。また、業界協会を設立することで、付加製造技術の今後の発展で生じうる問題の研究を強化する。5−6の技術革新センターを設立し、比較的整った産業標準体系を形成する。>>>
(編集SC)
「人民網日本語版」2015年5月27日