程大使は「村山談話」についての質問に次のように答えた。「村山談話」は日本政府を代表した正式な態度表明と約束で、日本軍国主義の侵略の責任に対する厳かな釈明であり、アジアの隣国との関係改善・発展に重要で積極的な役割を果たしている。1972年の中日国交正常化交渉時に、双方は歴史問題をどのように処理するかについて合意した。「中日共同声明」には「日本側は過去に戦争により中国人民にもたらした重大な損害の責任を痛感し、深く反省する」と明確に述べられている。しかし、このあと歴史教科書問題、日本首脳の靖国神社参拝などの問題が相次いで起こり、日本国内に戦争の責任をあいまいにしようとし、侵略の歴史を美化、歪曲し、さらには否定する誤った言動がみられ、それは中国など戦争被害国人民の大きな関心を呼び、憤りを招いた。これに対し、1995年に戦後50周年を迎えた時に、当時の村山富市首相が閣議決定を経て「村山談話」を発表した。談話では、過去の日本の国策に誤りがあったことを認め、歴史の事実を謙虚に受け入れることを表明するとともに、植民地支配と侵略が多くの国、特にアジア各国の人民に大きな損害と苦痛を与えたことに深い反省と心からのお詫びを表明している。われわれは日本側に、侵略の歴史の直視と反省に関する歴代内閣の態度表明と約束を固く守り、戦争被害国の関心にまじめに向き合い、国際社会と日本国内の正義の声にまじめに耳を傾け、問題を適切に処理し、平和的発展の道を貫いて、実際の行動でアジアの隣国と国際社会の信頼を得るように希望している。
間もなく発表される安倍首相の談話および日本の今後の方向に関して、程大使は次のように述べた。日本は戦後、平和憲法をもとに、「経済重視、軍備軽視」の政策を実施し、平和的発展の道を歩むよう努力したからこそ、今日の成果が得られた。しかし日本国内ではいつも一部の人と政治勢力がかつての侵略戦争を美化はては否定しようとしており、このような行為は日本側がこれまで侵略の歴史について行った反省とお詫びが本心からのものであったかどうか疑念を抱かせ、さらに日本の今後の方向についての懸念と警戒を招いた。ドイツのワイツゼッカー元大統領はかつて、過去に目を閉ざす者は結局、現在にも盲目となる、暴挙を反省しない者は、過ちを繰り返すと述べた。今年3月にメルケル首相が来日した際も、過去の清算は和解のための前提だと述べた。昨年、習近平主席は関連演説の中で歴史を忘れることは裏切りを意味し、罪の責任を否定することは再び罪を犯すことを意味していると強調した。歴史問題は中日関係の政治的基礎にかかわる重大な原則の問題であり、中国政府と人民は以前から前向きの姿勢を貫いてきたが、それには日本が侵略の歴史を直視し反省し、戦争責任を明確にすることが前提だ。中国はあの侵略の歴史に対する「安倍談話」の態度に注目しており、同時にまたその態度は日本の今後の方向を直接映し出すと考えている。日本側がアジアの隣国の関心にまじめに対処し、対外的に歴史の直視と平和的発展の道の堅持というプラスの情報を発するよう希望する。