スイスの大衆紙「ブリック ( Blick ) 」にこのほど、「中国警報を鳴らすリギ山」と題する記事が掲載された。同記事によると、「スイスアルプスの女王」と称えられるリギ山に中国人観光客が押し寄せてすし詰め状態となり、スイス人の不満が爆発したという。リギ鉄道は、このような状況に対応するため、アジア人専用車を導入する計画だが、これが「中国人差別」であると反発を招いている。環球時報が報じた。
ブリック紙の報道によると、リギ山に中国人観光客が押し寄せているため、地元スイスの観光客は、「押し出される」感覚に襲われているという。リギ鉄道は、このような状況に対処するため、今年7月から「アジア人専用車」の導入を試行、9月から正式に導入することとした。
リギ鉄道のPeter Pfenniger CEOは26日、環球時報の取材に対し、次のように語った。
メディア報道にはかなり誇張がある。リギ鉄道は、中国からの観光客を大いに歓迎している。だが、中国人観光客の数が激増しているのは事実であるため、リギ鉄道は、毎週15本から20本のアジア人専用車の導入を検討している。当然のことながら、中国人観光客が一般車両を利用することも可能だ。中国人観光客の増加が、リギ山と周辺部の経済発展を大いに促進していることは、忘れてはならない事実だ。
だが、確かに、中国人観光客の激増に地元スイス人は戸惑っている。各メディアが関連話題を大いに取り上げているのもこのためだ。スイス国内の観光地管理者は今、「中国人観光客ブーム」に対応するため、トイレのクリーンナップ作業を強化し、中国人観光客に特化した「記念撮影スポット」を設けた。中国三大霊山のひとつ、峨眉山が今年7月にリギ山に贈呈した「巨大石」もこのうちの一つだ。