〇秋月祭と中秋節の由来
中国には、古代から、「春には太陽を祭り秋には月を祭る」という習わしがあり、秋分は、伝統的な「月祭り」が行われる日であった。現在の中秋節は、この伝統的な「月祭り」に由来している。
考証によると、「月祭り」はもともと、秋分の日に行われるとは限らなかった。だが、旧暦8月のこの日が、毎年一定ではなく、必ずしも満月にはならなかった。「月祭り」の当日が満月ではないのは興ざめであるため、昔の人々は、「月祭り」の日を、秋分の日から中秋の日に移動させたという訳だ。
北京の月壇公園は、明朝・嘉靖年間(1522年~1566年)に、天皇家の月祭りのための改修工事を行った。北京では、「月祭りの時、男性は月を拝まない」という特別な風習があり、これが「男は月を拝まず」という言い伝えとなった。
このほか、広東の月祭りでは、人々は花嫁衣裳を身に纏った木彫りの月神像を拝む習わしがある。また、南方の一部地域では、サトイモをお供えする風習が残っている。