中国気象局の統計データによると、北京・天津・河北地区では今年の冬入り以来、深刻な大気汚染が4回発生している。中国気象局は、元日を含む今後数日に渡り、同地区で深刻な大気汚染が発生する可能性は低いと予想した。人民日報が伝えた。
中国気象局環境気象センター首席予報士の馬学款氏は、「同地域の大気汚染は深刻で長期化しているが、これは汚染物質の排出源の強度と分布状況や、不利な気象条件と関連している。汚染物質の排出は内在的な、気象条件は外在的な制御要素だ」と指摘した。
今年の同地域は強い寒波に見舞われておらず、風が弱い日が多い。これにより汚染物質の拡散が弱まっている。また大気層の構造が安定し、混合層の高度が低いことから、汚染物質の垂直方向の拡散が制限されている。高い湿度も煙霧の凝縮を促している。
国家気候センター気候モニタリング室首席専門家の周兵氏は、「風の弱い日が増え、湿度が高めとなっていることから、煙霧を強める気象要素が揃っている。これは猛威をふるうエルニーニョ現象とつながっている。冬入り以来、華北・黄淮・東北地区は、対流圏低層で異常な南寄りの風が吹いている。これは南東の温かく湿度の高い空気の北上を促し、表面層の湿度を高めている。汚染物質が湿気を吸い拡大し、大気中の可視度が低下する。また弱めの南寄りの風により、他省の汚染物質が同地域に運ばれ、大気汚染が深刻化している」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年12月31日