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日本は「匠の精神」をどのように育ててきたか (3)

人民網日本語版 2016年04月22日08:21

▽伝統工芸に後継者あり

日本では製造業の工場だけでなく、民間にも手工芸の技をもつ人々が大勢いる。「文化財保護法」では工芸技術を保護の必要な無形文化財とみなし、無形文化財の伝承者は社会各界の尊敬を受けるだけでなく、メディアにたびたび登場し、特に重要な伝承者は人間国宝とされ、社会的地位も高い。

2010年現在、工芸技術の人間国宝は故人も含めて165人おり(重複があるため実際は162人)、ジャンルは陶芸、染色、漆芸、和紙などさまざまだ。日本政府は重要無形文化財の保護を目的に、人間国宝に毎年200万円の特別助成金を支給している。伝承団体に対しては、継承者の育成や文化遺産の公開展示を目的とした事業に補助金を出している。

政府からさまざまな支援を受けているとはいえ、日本の工芸に携わる人々は「栄華を極めた」とはいえない。中国人メディア関係者の知り合いの日本人の絞り染め職人たちは、1人が人間国宝でそこそこの収入を得ているほかは、経済状況はごく普通だという。彼らを支えているのは伝統工芸への熱い思いだ。

民間の手工芸を学ぶには長年にわたる修行が必要だ。工芸品の制作過程は非常に煩瑣なもので、原料は高く、得られる利益はごくわずかだ。漆器の表面に埋め込まれた貝殻や象牙の彫刻(螺鈿細工、象眼細工)で使われる材料は非常に高価で、原料とコストだけで利益はほとんど出ない。職人がこうした工芸に携わり続けるのは、伝統手工芸に対する情熱と希望があるから、技術を伝えようとしているからだ。

伝統工芸の伝承に力を入れる京都伝統工芸大学校を見学すると、伝統工芸を愛する若い人々が刻苦勉励する様子を目にすることができる。若い人々が忍耐強く学び続けることができるのは、ひとえに伝統工芸への愛があるからで、ここから「匠の精神」には後継者がいるということがわかる。(編集KS)

「人民網日本語版」2016年4月22日


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