米国コロラド大学デンバー校金融学部の代表を務める楊堅名誉教授は、「米国企業が突然、一方的に契約をうち切るというやり方は、米国がビジネス取引でこれまでずっと大切にしてきた契約の精神に明らかに違反する。もともと双方が契約を結ぶことができたのは、ビジネスの上で米国企業にもメリットがあるからだった。よって考えられるのは、米国の大統領選挙の年にしばしば強化される政治的要因などのビジネス以外の要因が、正常なビジネス上の方針決定を邪魔したということで、米国企業を含む関係者のビジネス上の利益が損害を受けることになる。また同時に、これは中国企業の対米投資が政治的リスクにぶつかる具体的なケースでもある」と指摘する。
▽中国高速鉄道の実力は高い
それでは中国高速鉄道の頓挫はその競争力の弱さを物語るものだろうか。各方面の情報を総合すると、中国高速鉄道の優位性は十分に明らかだという。
中国工程院(工学アカデミー)の王夢恕院士は、「中国の高速鉄道技術には3つの優位点がある。第1に、軌道やトンネルの建設技術の高さで、さまざまの複雑な状況に対応できる能力を備える。たとえば温度差の大きい状況でもレールが変形しないことを保証できる技術がある。第2に、中国の高速鉄道の技術チームは厳しい試練をくぐり抜けてきた屈強なチームだ。第3に、中国高速鉄道の建設コストはライバルよりも低く、試算では他国の33~50%ほどで建設できる」と話す。
価格だけでなく、中国高速鉄道技術のもつ強みは世界に冠たるものといえる。「列車の頭脳」と言われる列車のネットワーク制御システムを例に取ると、従来の技術では帯域幅と伝送速度の影響で、基本的な列車のコントロールと機能診断のデータの伝送しか行えなかったが、情報化の発展によりこの「頭脳」への要求がますます高まり、ボンバルディアやシーメンスなどの国際大手もこの分野の研究開発をことのほか重視するようになった。さきには中国中車株洲電力機車研究所有限公司が独自に開発した世界的な次世代列車ネットワーク制御システが、時速380キロメートル級の中国製標準動力ユニットへの搭載テストに成功し、中国高速鉄道は「最強の頭脳」を備えるようになった。
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