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第13回日中友好中国大学生日本語科卒業論文コンクール審査委員の所感--文学部門

 2014年02月25日15:28
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 特定非営利活動法人日中友好市民倶楽部と淮海工学院が主催し、山梨英和大学、淮陰師範学院、天津外国語大学、中国日本語教学研究会、中国日本語教学研究会江蘇省分会、中国日本語教学研究会貴州省分会、人民網日本語版が共催する「第13回日中友好中国大学生日本語科卒業論文コンクール」は昨年6月に開催された。3カ月ほどの募集を経て、44の大学から総計48本の論文が寄せられた。

 昨年10月19日に天津外国語大学で行った審査会で、言語、文学、文化・社会の3部門の受賞作品が発表された。

 その後、各部門の審査委員を担当する方々がコンクールについての所感を届けてきた。

 文学部門の審査委員である北京第二外国語学院の邱鳴教授が寄せた所感は次のとおり。

 二回目のコンクールから継続して審査の仕事に加わってきたから、本卒業論文コンクールが辿ってきた道のりやその影響力の拡大及び当然の結果として卒業論文全体的な質の向上であることをつくづくと感じている。文学部門のことではないが、あまりにも優秀なので、審査担当の先生がその場で推薦論文所属大学の学部主任と指導教官に電話で確認する一幕もあるように、論文レベルがいかに高いことかを物語っている。

 このような優秀な論文がコンクールの回数増に伴って、着実に増えてきたことを大変うれしく思う。しかし、一方でコンクール影響の拡大で、あまり賞を意識しすぎたせいであろうか、作品の精読と分析よりも理論的な陳述と展開を重視し、地道な研究よりも偏に斬新さを追求する傾向も見られるようになり、しかも文学以外の他の部門においても同じ傾向が見られ、問題視されているようである。そこで、良い論文、とりわけ学部生の卒業論文に対する良い論文の判断基準をもう一度真剣に考える必要があることを痛感している。要旨、キーワード、タイトル、目録、先行研究の整理、本文の議論、注釈、参考文献といったようなものは論文構成の基本的な要素である。構想がいかに素晴らしいものであっても、この基本的な要素を守らなければ良い論文になるはずがない。しかし、今回文学部門の論文を読んでみると、先行研究の紹介と引用の注釈の問題がとくに目立っていると思う。私はこれは論文作成基本知識の不足によるというよりも、むしろ作者の学問に対する態度の問題だというふうに受け取っている。というのは、先行研究の紹介をあやふやにすると、論文の論点が作者独自のものであるか、それとも他人からの引用なのかは、読者がそれを判断する手がかりを失くし、極めて無責任な行為である。たとえば、今年の推薦論文の中に、「このような視点による先行研究はまだ少ない」といいながら、その先行研究に関する紹介は一切触れていない。先行研究が少ないなら、少なくてもいいから、その分だけ紹介すべきではなかろうか。引用の注釈も同じで、明らかに引用文でありながら、注もつけずに平気で使うのは多くの論文に見られる共通問題である。独創性、斬新的な視点、これらのものを求めるのは大変結構なことであるが、その独創性や斬新な視点に至るプロセスを明らかにするのは所詮論文の基本なのである。

 急がば回れという諺の如く、良い論文を書くには、何よりも論文作成の基本を守ること、強いていえば論文作成に取り組む姿勢、それが一番大事なことなのではなかろうか。そのことを心にかけて努力すれば、きっともっと素晴らしい論文が期待できると思われる。

 「人民網日本語版」2014年2月25日

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