北京市ガス集団有限責任公司生産技術高級専門家の高順利氏は、「北京の道路の下には必ずガスパイプラインがある。これは誇張ではない。大通りから横丁まで分布しているこれらのパイプラインの管理は、これまで関係者の悩みの種になっていた。北斗システム(中国の衛星測位システム)を使用すれば、地上の検査の段階で地下数メートルのパイプラインにガス漏れが生じていないかを確認できる。その測位の誤差はかつての10メートルから数センチに縮小され、問題が生じたパイプを正確に特定できる」と語った。中国経済網が伝えた。
中国衛星ナビゲーション測位協会と中国都市ガス協会はこのほど北京で、戦略的提携の合意書に署名した。この北斗衛星ナビゲーションに基づく測位技術が、全国のガス業界に初めて活用されることになった。中国都市部のパイプラインは全長40万キロ以上に達しており、2016年には60万キロに達する見通しだ。北斗システムは近い将来、全国数十万キロの都市パイプラインの検査に力を貸すことになる。
一部の大都市の旧市街地には、多くの老朽化したパイプラインやマンホールなどの設備があり、正確に測位し情報を発信することができない。北京の1.6万平方キロの範囲内だけでも、20−30年使用されているパイプラインが数千キロに達する。GPSによるこれらの古い地下パイプラインの測位では、大きな誤差が生じることが多く、ガス漏れの生じている場所を見つけにくい。
北京市ガス集団有限責任公司は北斗衛星測位技術を使い、ガス漏れ検査技術を開発した。例えば地下に敷設されているパイプライン、北京の画像化された地図、航空写真を重ねると、これらのパイプラインと地上の建築物の関係をはっきりと示すことができる。こうすればガス漏れ検査は施工との調整を図れるようになり、多くの安全事故を回避できる。同社はさらに6つの北斗衛星地上強化基地局を設置し、測位の精度を大幅に高めた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年8月26日