2014年のフォーブスの長者番付ランキングでは、ビル・ゲイツの総資産が760億ドル、孫正義の資産が184億ドルとなっていた。今回のアリババのIPOで、孫正義の資産がビル・ゲイツを超える可能性は極めて高い。
孫正義がアリババに最初に投資したのは2000年1月で、金額は2000万ドルだった。馬雲のアリババはこの時、創立まだ一年だった。2004年、ソフトバンクはアリババにさらに6000万ドルを投資した。公開データによると、ソフトバンクのこれまでのアリババへの投資は総計2.6億ドル。今回獲得する600億ドルと比較すれば、そのリターン率は驚くべきものだ。
業績が長期にわたって伸び悩んでいるヤフーにとっては、アリババのIPO成功はまたとないニュースとなった。アリババが最後に提出した株式公開の説明書によると、ヤフーは、アリババ株の22.6%を保有する第二の大株主。対応する株価は395億ドルにのぼる。2005年、資金不足を解決するため、馬雲は、10億ドルとヤフー中国の資産によってヤフーがアリババの40%の株式を得ることを認めた。
この資金はアリババが危機を乗り越えることを助け、淘宝網(タオバオ)と支付宝(アリペイ)を急速に成長させたが、馬雲も、これを取り戻す努力を長く強いられた。
2012年5月、アリババとヤフーは株式の買い戻しに関する合意を達成した。アリババは第一段階として、ヤフーが持つ約16%のアリババ株を76億ドルで買い戻すこととした。この取り引きは2012年末に完了した。双方の合意によると、アリババは上場時、IPO発行価格の110%のプレミアムでヤフーから残りのアリババ株を買い戻せることとなっている。アリババによると、今回のIPOでは、ヤフーはアリババ株1.217億株を売却することを決めている。獲得される収益は80.3億ドルに達する。株式売却後も、ヤフーは、アリババ・グループの約16.3%の株式を保有し続ける。
慎重に見積もっても、ヤフーは、10億ドルの投資によって300億ドルを超える収益を得ることとなる。
アリババのIPO情報を受け、ヤフー株は、最初のIPO説明会のあった8日には、41.81ドルの終値で、2006年以来の最高値を更新した。これはヤフーにとって起死回生のチャンスとなるかもしれないと見るアナリストがいる。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年9月24日