北京と上海の都市構造と不動産価格水準は似通っており、市街地の新築住宅価格は1平米あたり5万元の時代に突入しようとしている。一方、深センの都市構造は規則的ではなく、今年に入ってからの不動産価格高騰の中心となっているのは、南山区の前海、后海だ。現在、南山と福田の2つのビジネスエリアの平均不動産価格はすでに5万元/1平米に到達している。広州は比較的不動産価格が低く、5万元時代に入るのはまだ先のことと見られる。
新築住宅価格を比較すると分かるように、今年5月、北京・上海・深センの不動産価格水準は平均で1平米あたり3万元前後、市街地だけを見ると5万元前後というのが通常となっている。これら3つの中心都市では事実上、不動産価格が1平米あたり5万元時代に入りつつある。中国全土の不動産市場が普遍的に低迷しているというのに、一線都市の不動産価格はなぜ上昇を続けているのだろう?これはまず、市場の供給不足によるものだ。住宅は不動産であり、不動産価値は土地の価値によって決まる。一線都市は土地が少なく人が多いため、建設用地が逼迫している。例えば上海市は2020年以降、建設用地のゼロ成長を実現するよう求めている。また北京では昨年、分譲住宅用地の計画面積が1000ヘクタールに達したが、実際に供給されたのは517ヘクタールだった。今年は750ヘクタールが計画されているが、上半期の実質の供給面積は175ヘクタールに留まっている。
その他の理由として、市場のニーズが旺盛であることが挙げられる。一線都市は就職のチャンスが多く、賃金も高く、毎年数十万人の卒業生、各種人材、出稼ぎ農民らが集まって来るため、新築住宅へのニーズも大きい。収入の向上に伴い、地元民の住宅改善のニーズも高まっているほか、投資目的の住宅購入ニーズもある。ここ数年の住宅購入制限策により、投資目的の住宅購入が制限されているが、不動産価格が上昇する限り、投資のニーズが無くなることはない。