福建省農業科学院とスウェーデン農業科学大学の専門家チームが共同で実施した、低メタン・高澱粉イネ「SUSIBA2」に関する研究成果がこのほど、世界的に権威ある科学誌ネイチャー(電子版)に掲載された。このイネは食糧の生産量を増やすと同時に、栽培の過程で発生するメタンガスの排出を大幅に削減できる。この成果は、水田の温室効果ガスの排出削減の、新たな道を切り開くことになる。光明日報が伝えた。
国際研究チームは、麦の転写因子をイネに植え込み、イネの炭水化物の分配を効果的に調節。光合成の産物の多くが、水田の地下ではなく、もみなどの地上の部分に保存されるようにした。これによって、メタンガスの排出が削減される。3年間の試験の結果によると、SUSIBA2はメタンガスの排出削減、生産量の増加で高い効果を示した。同技術により水田のメタンガスの排出(通年)を50%以上減らし、1ヘクタール当たりの生産量を4%増やすことが可能だ。
同成果の応用に向けた研究に画期的な進展があり、メタンガスの排出を抑えるイネの新品種が栽培されれば、中国および世界の大規模なメタンガス排出削減の目標達成が促進される。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年7月28日