中国外貨取引センターが発表した最新データによると、13日の人民元対米ドルレートの基準値は1ドル=6.4010元となり、3営業日連続で大幅に下落した。世界各国の自動車メーカーや、中国の繊維製品輸出業者などの、為替相場の不確定性に対する懸念を鑑み、中国人民銀行(中央銀行)は先週の木曜日に記者会見を開き、人民元が依然として堅調な通貨であることを強調した。環球時報が伝えた。
◆中央銀行、今後再び元高になると予想
中国人民銀行の張暁慧総裁補佐は13日の記者会見で、「経済におけるその他の要素と問題の蓄積によるズレの是正後、人民元は将来的に上昇ルートに入る。現在、人民元の下落が続く根拠はない」と指摘した。
一部のアナリストは、中央銀行のこの措置を、輸出低迷の打開策と判断している。海外メディアの「中国当局は10%の元安で輸出を促進する必要があると判断した」という説について、中国人民銀行の易綱副総裁は、「これは完全に荒唐無稽な説であり、何の根拠もない。中国は為替操作により輸出を促進する必要はない。中国の輸出は順調で、多くの黒字を計上している。今回の改革は主に、人民元の対米ドルレート基準値の設定メカニズムの調整であり、相場形成メカニズム全体が今後さらに市場化される」と強調した。
◆複数の国の企業が影響を実感
最近の持続的な元安は世界の金融市場に波及し、複数の国の企業にも影響を及ぼしている。共同通信社によると、元安が日本企業の対中投資の将来性に影響を及ぼすという観点を巡り、日本の自動車メーカーの幹部や日本自動車工業会の会長は、「中国市場の状況は楽観視できず、投資を拡大しがたい」と表明した。中国市場に依存する百貨店・小売業の経営者は、中国経済の減速により消費者の購買力が弱まり、中国人の日本製品「爆買」が鈍化することを懸念している。急激な元安により、中国で業務を展開する自動車メーカーの利益も減少している。日興証券のエコノミストによると、11日の元安により、自動車を含む「輸送機械」で146億円、商社など「卸売業」で92億円の減益が見込まれるという。