日本のサイトcocologでは、「独特のスタイルを有する方言小説家の金宇澄の受賞は本当にめでたい」と紹介され、他の日本メディアも81歳になる王蒙の受賞を高く評価している。日本の読者はまた、これまで何度も大賞を逃してきた李佩甫が今回茅盾文学賞を受賞したことは、「羊の門」に継いで錦上花を添えることとなったと評価した。サイト「シネマトゥデイ」によると、香港の著名な監督、王家衛氏は金宇澄の上海語小説「繁花」を映画にリメイクすると発表。同書は文革時代の60、70年代の上海市民の暮らしと80年代から21世紀初めにかけての上海の社会的変貌を描いている。上海はこれまで日本人が最も関心抱く中国の都市の一つでもある。
文化が中国に起源するためか、日本人は中国現代文学には特別な思い入れがある。中には、茅盾は「魯迅に次ぐ中国の大家」で、彼の名で命名された文学賞は現在「中国で最も権威ある文学賞だ」と称する日本人ファンもいる。東京の板橋図書館には、中国の文学作品が数多く取り揃えられており、「環球時報」記者は「白鹿原」「秦腔」といった茅盾文学作品が人目を引く位置に陳列されているのをみて親しみを強く感じた。初めて茅盾文学賞を受賞した「芙蓉鎮」も日本での知名度は非常に高い。記者がネットで同作品を検索してみたところ、日本には1987年に出版された旧作や映画DVDまで販売されていた。唯一茅盾文学賞を受賞しているチベット族作家、阿来の「塵埃落定」も日本語版が出版されており、作中に登場する地名に沿って四川省を訪れ、その記録をネットで発表している日本人までいる。王安憶は今回入選を逃したが、彼女が2000年に茅盾文学賞を受賞した作品「長恨歌」は、日本の中国文学研究における重要な研究対象となっている。