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第9回茅盾文学賞発表 5作品が入選

人民網日本語版 2015年08月17日14:10

「中国における長編小説の最高賞」と称えられる「茅盾文学賞」の最終選考結果が16日、発表された。格非氏の「江南三部曲」、王蒙氏の「こちら(側)の景色」、李佩甫氏の「生命冊」、金宇澄氏の「繁花」、蘇童氏の「黄雀着」(得票順)の5作品が、同賞を受賞、世間の注目を集めた。審査員を務めた、著名な文学評論家・陳暁明氏は取材に対し、「茅盾文学賞への入選は非常に難関」とコメントした。中国新聞網が報じた。

同賞の選考は、4年ごとに実施され、受賞者はそれぞれ、50万元(約100万円)の賞金が授与される。

陳氏は、今回の選考をめぐり、次の通り振り返った。

今回選考対象となった作品の数は非常に多く、計252本の長編小説に及んだ。我々審査員は、その中から80本を選んだ後、40本、30本、20本、10本に絞り、最後に5作品が残った。受賞した5作品は、数次にわたる厳しい選考をくぐりぬけて最終的に残った秀作が揃っている。

定められた選考プロセスによると、1人1票の投票権を持つ61人の審査員が、半年前後をかけて、候補作を全て読む。今回の選考活動は、かなり難しかった。一部の作品は、極めて優劣つけ難く、実力は伯仲しており、念入りな比較検討を繰り返してようやく最終結果が出た。たとえば、惜しくも落選した厳歌苓氏の作品や林白氏の「北去来辞」などは、とても魅力に富んだ作品だった。

だが、どのような文学賞においても、万人が満足する結果を出すことは難しい。最終選考の結果は、審査員全員の意志疎通、討論、妥協を通して達した共通認識の産物である。このような精力を注ぎ込んだ審査を経なければ、多くの人が納得するような選考結果を導きだすことは不可能だ。

今回の受賞作のうち、81歳の有名作家・王蒙氏の古い作品「こちら(側)の景色」が、数度に及ぶ厳しい選考を潜り抜けて最終的に選ばれたことは、注目に値する。王蒙氏の同賞受賞は、今回が初めてとなった。受賞者が発表された後、「これは王蒙文学に対する『追認』を意味する」とコメントした読者がいたが、同作品の受賞は、王蒙氏に対する審査員の尊敬の意に即して決まったものではないことは、明らかにしておくべきだ。

王蒙氏の「こちら(側)の景色は、確かに独特のムードを漂わせている。1970年代に発表された文学作品のほとんどは、歴史色を帯びている。だが、この作品には、歴史的な色合いがほぼ皆無だ。中国は多民族国家だが、この作品はかなり全面的なもので、多民族の生活をバラエティ豊かには反映している。このような特徴は、中国語で書かれた文学作品としては、ほぼ稀有といえよう。

その他の受賞作については、金宇澄氏の「繁花」は、素朴な文体を擁する伝統的な作風で、含蓄に富んだ作品だ。格非氏の「江南三部曲」の得票数が最も多かったことは、同作品に対する審査員らの承認度の高さがうかがえる。(編集KM)

「人民網日本語版」2015年8月17日

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