平日のラッシュ時の電車で高齢者が立っていたら、「席を譲るか」は、これまでもネットユーザーの間で話題になってきた。しかし、唐天明さん(60)は、1日中忙しく働いている若者に席を譲るため、小さな折り畳み式のイスを持って電車に乗っている。そんな唐さんは、「若者は働いて疲れているのは、私も分かっている。お互いに思いやりを示し合わなければならない」と話す。重慶晩報が報じた。
折り畳みイスを持って乗車する唐さん
重慶市内に住む蒋慧琳さんは、朝のラッシュ時に、車内の人が少ない所に自ら行き、プラスチック製の折り畳みイスを広げて、座っている唐さんをよく見かける。車両の壁にもたれ、足を縮める唐さんは、至って普通の表情をしているという。
8月初めのある朝も、蒋さんは唐さんに遭遇。その日、唐さんと一緒だった友人が、「毎日折り畳みイスを持って電車に乗るのは面倒くさいだろう」と聞くと、唐さんは、「なんてことない。イスを持っていれば、座ることができる。仕事で疲れている若い人に、席を譲ればいい」と答えていたという。