▽南京で初めて知った事実も
戦後、西山さんの父の位牌は靖国神社に祭られてきた。2005年、西山さんは日本各地の9人と共に、日本政府と靖国神社を相手取り、家族の位牌を靖国神社から分祀することを求めて訴訟を起こしたが、残念ながら敗訴している。
今回南京を訪問し、侵華日軍南京大虐殺遇難同胞紀念館のホールに足を踏み入れた西山さんは、心を貫かれたような痛みを感じたという。「記念館では、多くの人骨が展示されているところがあった。この記念館はまさに、当時虐殺があった場所に建てられていると知った。私はこれまでそのことを知らず、30万人が虐殺されたという事実も知らなかった」。西山さんをさらに憤慨させたのは、万人坑遺跡から子供の遺体が発見されたことだ。「戦争にも原則というものがある。捕虜を虐待してはならず、罪のない人々を殺してはならない。こうした点からみると、国際法に違反している」。
南京平和法要友好訪問団が追悼活動に参加するのは今回で13度目となる。訪問団の一人、山内小夜子さんは「私の祖父も南京戦に参加した。毎年の追悼活動にはほぼ毎年参加している。加害国の子孫として、私たちは謝罪に行くべきだ」と語った。