生命誕生前の地球創生期には、少量の酸素、すなわち安定した基底状態の酸素分子が存在した。この酸素は現在知られている光合成によって生まれたものではないが、それではどこからもたらされたのだろうか?中国科学技術大学の田善喜教授の研究チームがこのほど発表した研究結果は、地球創生期の酸素生成の新たなメカニズムを解明した。同成果は1月4日、世界的に権威ある学術誌「ネイチャー・ケミストリー」に掲載された。新華社が伝えた。
同研究成果によると、地球創生期の大気環境中には、多くの二酸化炭素と低エネルギー電子が存在していた。田教授の研究チームは、これらの二酸化炭素分子が低エネルギー電子をキャッチし、2種類の解離反応(炭素原子のマイナスイオン、酸素原子もしくは酸素分子の生成)を引き起こしたと仮説を立てた。彼らは独自に開発したマイナスイオン速度・時間撮像スペクトロメータを使い、この2つの反応を確認した。また特定のエネルギー範囲内で効果的に酸素分子を生成でき、かつ反応の産物である酸素原子も酸素分子の結合・生成を引き起こす可能性があることを明らかにした。
「低エネルギー電子付着・捕捉」の過程は、惑星の化学成分の変化にとって極めて重要だ。この発見は人々の星間物質の化学反応に対する認識を深め、幅を広げた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月7日