一枚のプラスチックフィルムを摂氏60度の湯の中に入れると、わずか数秒で「折り鶴」に変形する。中国青年報が伝えた。
これは浙江大学化学工学・生物工学学院の謝涛教授が率いる研究チームが開発した、最新の形状記憶プラスチックだ。これには複雑な形状の記憶が何度も植えこまれており、一定の熱に達すると多様な形状変化を見せる。論文は9日にサイエンス誌のオープンアクセスジャーナル「サイエンス・ アドバンシズ」に掲載された。
謝教授によると、研究チームは新型形状記憶材料を開発する際に、交換可能な共有原子価を加え、分子間の結合関係を再建した。謝教授は、「これは多くの分子が手をつなぎ集団ダンスを踊るようなものだ。温度が高くなると、分子は互いに相手を変え、新しいパートナーを見つけ、新たな隊形を組む。こうして恒久的な記憶が生まれる。低温環境において、材料はその他の形状に折り曲げられても、弾力性により形状を変え、分子もバラバラになることはない。温度が高くなれば、以前の形状を取り戻す」と説明した。研究者は、この新型材料には普及の価値と応用の将来性があると判断し、生物医学やフレキシブル電子デバイスなどの高付加価値の分野で応用されることに期待している。謝教授は、「例えば心臓のステント治療だ。この材料を『目的地』に植え込み、複雑な三次元の形になることを期待している」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月11日