中国人民銀行(中央銀行)は7日に2015年12月の外貨準備データを発表した。それによると、同月は外貨準備が1千億ドル(1ドルは約118.3円)以上減少しており、単月の減少額で過去最高を更新した。「北京晨報」が伝えた。
同データによると、昨年12月末現在、外貨準備残高は3兆3300億ドルで前月末比1079億ドル減少し、14年末比では5126億5600万ドル減少した。実際、外貨準備は昨年8月にやや増加したのを除き、下半期は減少が続いた。12月は4カ月連続の減少となり、15年は過去3年間で外貨準備残高が最も少ない年になった。
外貨準備の急激な減少だが、業界関係者はそれほど意外とは感じていない。
申宏宏観によると、12月の外貨準備の急速な減少は、資本の外部流出圧力の激化を物語るものだ。データをみると、12月には人民元が予想を上回って下落し、オフショア市場では1441ベーシスポイント低下し、オンショア市では955ベーシスポイント低下して、両者の開きが751ベーシスポイントに拡大した。「元の大幅下落が資本の流出を加速させるのは当然のことだ。当月の包括的な外国為替資金残高の減少幅は大きくなり、銀行が代行する決済や振替ではこれからも大幅な赤字状態が続くとみられる」という。
だが15年の外貨準備が大幅に減少したとしても過度に心配する必要はない。データをみると、中国の外貨準備の適切な規模は1兆5千億元前後であり、申宏宏観は、「今は運用の可能性が引き続き大きく、必要な時にはレートの安定を支えることができる」との見方を示す。
また申宏宏観は、「人民銀が市場への関与を少なくしているのは市場の客観的な規律を尊重するための主体的な選択だが、本日は再び明確な姿勢をうち出し、これは投機行為を取り締まり、抑制するための新たな行動を起こして、レート観測を安定させることを意味するかもしれない。長期的にみて、中国経済の安定化にともなって、元レートはバランスの取れた合理的な水準に向かい、国際資本は入ってくるものもあれば出ていくものもあり、外貨準備の残高は双方向に動く状態が常態になるとみられる」と予想する。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年1月8日